これは、少し言いにくい話です。
1000人以上の面接を担当してきた中で、「この人は惜しかった」と感じた場面が何度もあります。スキルは十分にある。経験も申し分ない。なのに、ある行動のせいで、採用の天秤がぐっと傾いてしまう。
そういうケースを見るたびに、「もし本人に伝えられたら」と思ってきました。今日は、その思いをそのまま書きます。採用担当者として正直に、面接で「絶対にやってほしくない」行動を7つ、お伝えします。
厳しく聞こえる部分もあるかもしれません。でも、それは批判ではなく、知っていれば防げることばかりです。ぜひ最後まで読んでください。
NG1. 前職・前の会社・上司の悪口を言う
これは、7つの中で断トツの「即アウト」です。
転職理由を聞かれたとき、前の会社への不満が出てしまう方は多いです。それ自体は自然なことで、理解できます。でも、面接の場で前職の悪口を言った瞬間、採用担当の頭の中では「この人は、うちの会社のことも、いつかこうやって話すんだろうな」というイメージが走ります。
ハッキリ言って、これを挽回するのはほぼ不可能です。どれだけその後の受け答えが良くても、最初に刻まれた印象は消えません。
どうすればいいか:転職理由は、「前の環境への不満」ではなく「次の環境でやりたいこと」にフォーカスして語りましょう。「前職では〇〇の経験を積みました。その上で、次のステップとして△△に挑戦したいと思い、御社に興味を持ちました」——この構造で話せれば、面接官には前向きな転職として映ります。
NG2. 逆質問で「特にありません」と言う
面接の最後に「何かご質問はありますか」と聞かれる場面、ありますよね。ここで「特にありません」と答えてしまう方が、実は少なくないんです。
採用担当から見ると、これは「この会社に対する興味が薄い」サインに見えます。もちろん本人にそのつもりはないかもしれない。でも、「聞きたいことが何もないほど、この会社のことを調べていない」「入社後のイメージが具体的に描けていない」——そう受け取られてしまうリスクがあります。
どうすればいいか:逆質問は「準備しておくもの」です。面接前に会社のことを調べる中で、「ここをもっと知りたい」と思ったことを2〜3個メモしておく。「入社後、最初の3ヶ月でどんなことを期待されますか」「チームの雰囲気を教えてもらえますか」——こうした質問は、入社後のイメージを真剣に描いている人間の言葉として、面接官に響きます。
NG3. 実績を「感覚」でしか語れない
「前職では営業として頑張り、チームに貢献してきました」——この言葉、採用担当には何も伝わっていません。
「頑張った」「貢献した」は、誰でも言えます。採用担当が聞きたいのは、「それが、具体的にどんな数字や成果として表れたのか」です。数字で語れない実績は、実績として認識されにくい——これは厳しい現実ですが、知っておいてほしいことです。
どうすればいいか:面接前に、自分のキャリアを「数字」で棚卸しする時間を取りましょう。売上目標対比、担当顧客数、チームの人数、コスト削減額、処理件数——どんな仕事にも、数字で表せる側面は必ずあります。「チームの売上を前年比120%に伸ばした」「10名のチームをリードした」——こうした言葉が出てくると、面接官の中でその人の「絵」が鮮明になります。
NG4. 転職理由が「給与アップ」「待遇改善」だけ
給与や待遇への不満が転職のきっかけになること、全然おかしくありません。むしろそれは正直な動機です。でも、それだけを転職理由として語るのは、採用担当の目には「うちが給与を下げたらすぐ辞める人」として映ります。
採用担当は、「この人は長く一緒に働いてくれるか」を常に考えています。待遇だけが目的の転職者は、より良い条件が出たらすぐに去る——そのリスクを、無意識に感じ取ります。
どうすればいいか:待遇への希望は転職の正当な理由ですが、それに加えて「この会社でやりたいこと・成し遂げたいこと」をセットで語りましょう。「適切な評価を受けながら、自分のスキルを最大限活かしたい」という文脈に変換するだけで、印象は大きく変わります。
NG5. 答えを「暗記」して台本通りに話す
これは、真面目に準備してきた人ほど陥りやすい落とし穴です。
自己PRや志望動機を、一言一句暗記して臨む方がいます。最初の受け答えは完璧です。でも、少し違う角度から質問を重ねると、途端に言葉が出なくなったり、突然流暢な「台本」に戻ったりする。採用担当には、すぐ分かります。
ハッキリ言って、暗記した言葉より、少しつっかえながらでも自分の言葉で話す人のほうが、信頼されます。採用担当が見たいのは「この人は、想定外のことが起きたときにどう対応するか」でもあります。
どうすればいいか:丸暗記ではなく「伝えたいことのポイント」を3つ程度頭に入れておく。どう聞かれても、そのポイントに辿り着けるように準備する。その柔軟さが、面接官には「この人は本番に強い」という印象を与えます。
NG6. 条件・給与の話を自分から早々に切り出す
「御社の給与レンジを教えていただけますか」「残業はどのくらいありますか」——これらは、知りたい気持ちはもちろん分かります。でも、面接のごく初期にこれを切り出すと、採用担当には「条件が最優先の人」と映ります。
採用担当が「この人と働きたい」と思う前に条件の話が来ると、「まだ口説いてもいないのに、結婚の条件を聞かれた」ような感覚に近い、微妙な違和感が生まれます。
どうすればいいか:条件面の確認は、面接が終盤に差し掛かってから、あるいは次のステップに進んでから行うのが自然です。それまでは「この会社で何をしたいか」「どんな価値を提供できるか」に集中する。条件の確認は権利ですが、タイミングが大切です。
NG7. 面接官の話を聞かず、自分の話だけをする
これは、コミュニケーション能力に関わる、根深いNGです。
緊張しているせいか、準備してきたことを全部話したいせいか——面接官の質問への回答が長すぎて、「会話」ではなく「プレゼン」になってしまう方がいます。面接官が話し始めても、それを遮って自分の話を続ける方もいます。
採用担当にとって、面接は「この人と一緒に仕事ができるか」を確かめる場でもあります。人の話を聞かず、自分の話だけをする人は、チームの中でどうなるか——想像してしまうんです。
どうすればいいか:面接は「対話」です。面接官の質問に対して、まず的確に答える。その上で、必要であれば補足する。「聞かれたことに答える」という基本を意識するだけで、印象は大きく変わります。また、面接官が話しているときは、相槌を打ちながらしっかり聞く——それだけで、「この人は話を聞ける人だ」という評価につながります。
最後に:NGを知ることは、チャンスを知ること
7つのNGを並べてきましたが、これを読んで「そんなこと、知らなかった」と思った方もいるかもしれません。その感覚、すごく大事だと思います。
多くの人が転職活動で失敗するのは、能力が足りないからではありません。「面接官の側から見たらどう見えるか」を知らないまま、ただ自分を精一杯アピールしようとするからです。視点を変えるだけで、同じ経験・同じスキルを持っていても、伝わり方が劇的に変わります。
そして、ここで一つ伝えておきたいことがあります。
今回紹介した7つのNGは、転職エージェントのキャリアアドバイザーとの面談練習を通じて、事前に気づけることがほとんどです。良いエージェントは、面接前にこういった「採用担当目線のフィードバック」を丁寧にしてくれます。独力で転職活動をしている方ほど、一度エージェントに話を聞いてみることを強くおすすめします。無料で使えて、応募・面接のサポートまでしてくれる——これを使わない手はないと、採用担当の立場からも思います。
今日の記事が、あなたの転職活動の少しでも役に立てば、うれしいです。

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